忘れ得ぬ人々 (3)佐藤トキ講師を偲んで
高橋 節子
トキ先生に初めてお会いしたのは、入信(昭和六十年三月)の奉納祭の時でした。終了後「貴女とは初めてお会いする気がしないの。とても懐かしい気がするの」とお声を掛けて頂いたのがつい先日のようです。
トキ先生は戦後、朝鮮から引き揚げてこられる時『生命の実相』(地の巻)を荷物に入れ本土に戻り、ご主人様が亡くなられてからみ教えを支えに三人のお子様をお育てになったと伺い、純粋な信仰の大切さを教えていただきました。又、鳩山一郎元首相夫人(薫子さん)が関係されていた誌友会へ参加されていたお話、吉田國太郎先生(『常楽への道』の著者)のお話、毎年必ず総本山の団体参拝練成会、宇治の大祭には昇天される四年前まで参加され、自然と自分たちも行くものだという種を蒔いてくださいました。
講習会の推進では、お誘いされる方の家庭訪問は何度も通われ、必ず御家族で参加されるように推進され、その熱意に負け参加し、現在の信徒の皆さんへの伝道者になられたそのお陰が、東部第二総連の礎になりました。
聖歌隊にも所属され、ある時はご主人を亡くされた方から「聖経が誦げられないからトキさん来て」と依頼され、その方の元へ何度も足を運ばれたそうです。お体は小さく元気一杯、芯は強く涙もろい先生は安達先生を始め皆様から可愛がられていらっしゃいました。
聖歌を通し、我の判断なく、機嫌良く、常に神様とともに生きられ平成十三年八月二十二日に永眠されました。
「何があっても大丈夫!」の信念を授けてくださり今ある事に、深く感謝申し上げます。
トキ先生、又いつか「実相を観ずる歌」をご一緒に歌わせていただけるのを楽しみにしております。
合掌