202409月号 信じて待つ

 8月18日に宇治別格本山にて、「自然災害並びに世界規模感染症物故者追悼慰霊祭」、8月19日には宝蔵神社盂蘭盆供養「大祭」の本祭を生長の家総裁・谷口雅宣先生ご奉祀、白鳩会総裁・谷口純子先生ご臨席のもとに厳かに行われました。私たちは宇治別格本山に参加している気持になり、以前参加していたことを実感しました。
 人生にとって「信じて待つ」という心はとても大切です。私たちはすぐに結果を求めたがりますが、特に教育は子供の本性を信じて芽の出るのを待つ心が最も大切です。
 土門拳氏の写真集に次のような内容の文がありました。
 奈良県の室生寺の写真集を纏めるために土門氏が当時の住職荒木良仙老師に室生寺の一番美しいのはいつかとお聞きすると「全山白皚々たる雪の室生寺」が第一等であるとお聞きし、40年間一度も雪の室生寺に遭遇したことがありませんので、『女人高野室生寺』を作るに当たってどうしても雪の室生寺の写真を入れようと思い、何回も通われました。昭和53年3月9日に室生寺そばの定宿橋本旅館に泊めていただいて雪の降るのを待ちました。東大寺の二月堂の「お水取り」の日には寒がぶり返すと言われているのを固く信じて疑わなかったかったからです。
 そのお水取りの日、3月12日の朝、原文には次のように書かれています。
 『朝、ぼくはまだ床の中でうつらうつらとしていた。いつもと違うひきいれられるような寺の鐘の音に、ぼくはもしやと思っていた矢先、廊下をバタバタと走ってくる音が聞えた。女将の初代さんが寝巻姿のまま部屋にとびこんできた。「先生、雪が・・・・・。早く起きて下さい」とぼくの手を引っぱった。「降りましたか」とぼくは大声で叫ぶと、すぐ助手に廊下のカーテンとガラス戸を開けさせた。するとまだ薄暗い空間に横なぐりに雪が降っていた。(以下略)』
 この感激は待って、待って必ず降るという信念が実現したのだと思いました。
 つい結果だけを見て、まだ出来ない、失敗したと、うまくいかない方をつかみがちですが、現象世界は芸術作品ですから、油絵を描くように黒くなったら反対の白をつかうと深みが出てきますようにその人の人格の深みが増してきます。

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