忘れ得ぬ人々 (2) 安達秀一講師の思い出
鈴木 いくみ
私が、三十年以上前、上尾に来て最初にお世話になったのが安達秀一先生御夫妻です。
先生は上尾の原市団地に住まわれていました。その頃はもう会社を退職していて、特務講師として、教化部に行ったり出講に行ったりと多忙な生活を送られていましたが、地元も大切にして下さり、毎日二回早朝神想観、昼間の神想観、月二回位、真理勉強会を開いて下さり、『無門間解釈』の勉強も続けて下さいました。難しい真理を分かり易く説いて下さり、皆行くのが楽しみで団地の部屋がいつもいっぱいでした。
先生は満州から引き揚げて来たとのことで、とても優しく紳士的で又だれとでも握手をして下さるような気さくな方で、達筆でもあり、よく和歌なども作っておられました。埼玉教区でもとても人気のある先生でした。
最初奥様が、私が生長の家の方を探している事を聞き、自宅から歩いて一時間以上かけて我が家に来て下さいました。それから先生のお宅へ、元気いっぱいやんちゃ盛りの二人の息子を連れておじゃまするようになりました。先生御夫妻は子供達も自分の孫のように可愛がって下さいました。主人の事で悩んでいた私は、男性である先生にイロイロ話を聞いてもらう事で男性の気持ちが理解できるようになりました。ある時はあまりの苦しさに家を飛び出した時もよく話を聞いて下さり、決して命令することもなく優しく根気強く話をして下さり心がやわらぎました。解決するのに長い間かかりましたが、立ち直ることができ、お陰様で今幸せな生活を送っています。埼玉では私のように先生のご指導で救われた方が沢山いらっしゃいます。
全生涯を生長の家に尽くされた先生ご夫妻、平成十一年七月に奥様に先立たれ、子供に恵まれなかったにもかかわらず、甥ごさん夫妻に引き取られ、平成二十年に亡くなられました。今大宮の青葉園でねむられています。先生ありがとうございました。