202311月号 失敗はない~新しい法則の発見である

「修理固成」この言葉は「古事記」に書かれているイザナギノ神とイザナミノ神が宇宙を創造するときに天つ神様から「天の治矛」を頂いてこの現象世界を創り固め成す時の言葉です。
 一番古い古事記写本の「国宝真福寺本」には「修理因成」と書かれていてこの現象世界は、混沌としていていますが、その中で神様の理(ことわり)を修めることに因って素晴らしい芸術作品が生まれてくるとも読めます。それが神の最高の自己実現として現れた私達の使命でもあります。
 エジソンは電球を発明するのに何回失敗したでしょうか。その都度失敗とは言わず新しい法則の発見と捉えました。写真家で有名な土門拳は『拳眼』という著書の中で『ぼくは不器用だから、写真は下手なんだ。』と書かれているところがあります。だから何回も寺に行って撮ってくる。その当時薬師寺の高田好胤さんは「撮影の亡者」と云ったそうで何回も何回も東京から通ったそうです。その当時はデジカメはありませんでしたから、モニターで確認することが出来ない時代です。その結果『古寺巡礼』という写真集の傑作が生まれました。今、日常や仕事が大変なときであったり、旨くいかずどうしようもないときであっても、神様の世界は「生々化育」、無限に伸びる世界ですからどんなに落ち込んでいてもちょうど植物の芽がなかなか出ないときは、根が張っているときのように無限に生長しています。絵を描いているときにも、何回も描き直して黒くなって失敗したと思われるときがあります。その時、正反対の色を使うと旨くいってかえって深みのある作品になります。人生においても其の経験がないと将来旨くいかないことになる事があります。私の場合は以前新教連の事務長を命ぜられたとき、予算と決算が出来なくて辞表を出した事がありました。十日の執行猶予をいただき、経理の人に首っ引きで教わり、どうにか出来たことがありました。その経験が教化部長になってから役に立っています。芽がすぐに出ないのが御心と解釈して今与えられた事をまごころ込めて実行しましょう。
 「理」はエジソンのように新しい法則の発見と解釈してこうしたら、こうなると原因をたずねていくことです。

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