忘れ得ぬ人々 (27) 岩崎美智子講師を偲ぶ 斎藤繁代

 

 岩崎講師との出会いは、母親教室でした。子育てが学べると聞いて行ったら、会場の雰囲気がとても明るく、温かくて、通うのがとても楽しみでした。でも悩みがなかなかなくならないので、思い切って相談したところ、「あなた、神様を本当に信じてる? 先生のお話を聞いて『あゝいいお話だった』ってそこで終わりにしてない? 実行しないとね」と言われた。私は末っ子で生まれて何でもしてもらえ、気ままで周りに無関心でマイペースだった。そんな私を少しずつ変えてくれました。

 岩崎講師は、北海道で『白鳩』誌を貰い、生長の家に興味を持っていたので、越谷に転入してから長谷川すみゑ講師の導きで入信、母親教室の世話係となって、若鳩会を開いて若い誌友を育成して、会員に導いてきました。

 岩崎講師は五人目の子をおんぶして、出講にも出掛けていました。途中で何があっても間に合うようにと、一時間以上も余裕をもって出発していると聞いて、私もこころがけました。講師は青少年育成対策部長として特に青少年の育成にも尽力されました。

毎回の練成会には多くの子供達が参加してくださり、お手伝いの私達もとても感動する充実した内容でした。

 ある夏の飯能の名栗川での練成会に子供達と参加して、私は炊事のお手伝いでしたが、薪を燃やしての調理はなかなか大変で、後で皆で大笑いでした。岩崎講師の指導の元で作った食事は子供達に好評で、残さず食べてくれました。今の会館の炊事場を作る時にも使いやすいようにアドバイスをされたと聞きました。

ある時、岩崎講師から「あなたはほんとに箸にも棒にもかからないんだから」と言われました。更に「もう私の手に負えないと思った頃に、夢の中にあなたのお父さんが出てきて『どうか頼みます。これからも指導してください。どうかお願いします』と言っていたの」 と言われました。

大好きな信仰深い父が心配していると知ってそれからは、自分をよく見せようという見栄っぱりの心を捨てて、自分のやるべき事に真心こめて集中してやるようにしました。そうしたら肩の力がフッと抜けて、いつも庇ってくれている周りの人たちの優しさが身にしみて、心からの笑顔が出るようになりました。

それから岩崎講師も一緒に皆でフラダンスを習って施設へ慰問に行ったり、地区の皆で運転免許を取ったりしました。

 北海道生まれの肝っ玉母さん。何事にもズバズバ言うけれど、本当は優しい人、若くして病気で亡くなられましたが、岩崎講師は気力も体力も使って、今の私にまで育ててくださいました。只々感謝です。先生ありがとうございます。合掌    (2022年8月号)

 

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